離婚後の家の売却と住まい探し【財産分与と新生活の準備】
離婚が成立すると、多くの場合「住まい」という大きな問題が浮上します。
「今住んでいる家(持ち家)はどうするのか?」 「新しく住む家(賃貸)はどうやって探すのか?」
このページでは、離婚に伴う住まいの問題について、財産分与で「家を売却する」場合の具体的な流れと、「新しい住まい(賃貸)」を探す際の注意点やコツを解説します。
1. 財産分与で「家を売却する」場合
離婚の財産分与において、持ち家(不動産)は最も価値が大きく、かつ最も分けにくい財産です。
どちらかが家に住み続ける場合、相手に代償金を支払う必要がありますが、そのためには多額の現金が必要です。 そこで、最も公平でトラブルが少ない方法として、「家を売却し、得られた現金を二人で分ける」という選択がよく取られます。
ステップ1:家の価値を調べる(不動産査定)
まず、家がいくらで売れそうなのか、その「価値(時価)」を知る必要があります。 同時に、住宅ローンの残高も確認します。
家の価値(売却額)がローン残高を上回る(アンダーローン)なら、売却額からローン残高を引いた「利益」を財産分与の対象とします。 (例:3,000万円で売れ、ローンが2,000万円残っていたら、利益1,000万円を500万円ずつ分ける)
不動産査定の重要性
この「家の価値」は、不動産会社1社だけの査定で決めると、その金額が適正かどうかわからず、損をする可能性があります。 必ず「複数の不動産会社」に査定を依頼し、査定額と、その根拠を比較検討することが非常に重要です。
現在は、インターネットで一度に複数の会社に査定を依頼できる「不動産一括査定サービス」などを利用するのが一般的です。
ステップ2:不動産会社と契約し、売却する
査定内容を比較し、最も信頼できる不動産会社と「媒介契約」を結び、家の売却活動を開始します。
ステップ3:売却代金でローンを完済し、残りを分ける
家が売れて売却代金が入金されたら、まず住宅ローンを全額返済します。 そして、残った現金を、夫婦で合意した割合(原則2分の1)で分け合います。
(注意)もし家の価値がローン残高より下回る(オーバーローン)場合は、売却しても借金が残るため、財産分与の方法が異なります。
2. 離婚後に「新しい住まい(賃貸)」を探す場合
離婚後に新しく賃貸物件を探す際、特に「ひとり親家庭」や「離婚直後で仕事を探し始めたばかり」の方は、入居審査で不利になるケースがあるため、注意が必要です。
なぜ審査が厳しくなるか
収入が不安定と見なされやすい(パートタイム、転職直後など) 保証人が立てにくい(元配偶者には頼めない)
新しい住まいを探すコツ
- 公的賃貸住宅(公営・都営・県営住宅)を検討する 公営住宅は、家賃が民間の賃貸よりも安価です。 また、「ひとり親家庭(母子・父子家庭)」は、入居の抽選において優遇される(当選確率が上がる)場合があります。お住まいの自治体の情報を確認してみましょう。
- UR賃貸住宅(旧公団住宅)を検討する UR賃貸住宅の最大のメリットは、入居審査で「保証人が不要」な点です。 一定の収入基準(ご自身の収入)さえクリアすれば、離婚直後でも借りやすい物件が多いです。
- 保証会社の利用を前提とする 民間の賃貸物件でも、最近は親族の保証人ではなく「家賃保証会社」の利用を必須とする物件がほとんどです。保証料(家賃の0.5〜1ヶ月分程度)はかかりますが、これを前提に物件を探しましょう。
- 収入を証明できる書類を準備する 審査をスムーズに通すため、「児童扶養手当の受給決定通知書」や「養育費の合意書(公正証書)」などを、ご自身の収入(給与明細など)と合わせて提示し、家賃の支払い能力があることを示すことも有効です。
3. 引越しに伴う手続き
新しい住まいが決まったら、引越し業者(一括見積もりなどを利用)を手配すると同時に、役所への「転出届・転入届」、電気・ガス・水道・インターネットの契約、郵便局への転居届など、多くの手続きが必要になります。
まとめ
住まいは、離婚後の新しい生活の基盤です。 家を売却する場合は、焦って1社に決めず、必ず複数の不動産会社に査定を依頼して「適正な価値」を知ることから始めましょう。 新しい賃貸を探す場合は、公営住宅やUR賃貸なども含め、利用できる制度を賢く利用して、無理のない新生活をスタートさせましょう。
