7200万円の支払い命令も。「泥沼裁判」はなぜ起こる?ボビー・オロゴンさんの事例から学ぶ、財産分与と親権のリアル

タレントのボビー・オロゴンさんが、元妻との離婚裁判の末、裁判所から約7200万円の財産分与の支払いと、子供たちの親権を元妻側と指定する判決が下されたとの報道がありました。

報道によれば、お二人の離婚協議は合意に至らず、法廷での争いに発展したとされています。

離婚を決意した夫婦が、必ずしも「泥沼裁判」になるわけではありません。多くの方は「協議離婚」という話し合いで離婚を成立させています。

では、なぜ今回のように裁判にまで発展し、高額な財産分与が命じられるケースがあるのでしょうか。今回は、離婚裁判のリスクと、「財産分与」の基本的なルールについて解説します。

協議、調停、裁判…離婚の3つのステップ

日本の離婚には、大きく分けて3つの段階があります。

1. 協議離婚

夫婦が話し合い、離婚届に署名・捺印して役所に提出する、最も一般的な方法です。財産分与や親権、養育費などの条件も、すべて話し合いで決めます。

2. 調停離婚

話し合いがまとまらない場合や、相手が話し合いに応じない場合、家庭裁判所に「調停」を申し立てます。調停委員という中立な第三者を介して、合意を目指します。

3. 裁判離婚(訴訟)

調停でも合意に至らなかった(不成立となった)場合、最終手段として「裁判(訴訟)」を起こします。 報道されているボビー・オロゴンさんのケースは、この段階にあたります。裁判では、お互いの主張を法廷でぶつけ合い、最終的には裁判官が「判決」という形で離婚の可否や条件(親権、財産分与など)を強制的に決定します。

「泥沼裁判」のリスクとは?

裁判になると、精神的・金銭的な負担が非常に大きくなります。

  • 精神的負担: 相手の非難や、自分のプライベートな部分を法廷で詳細に主張・立証する必要があり、精神的に消耗します。
  • 時間的負担: 判決が出るまでに1年以上、長い場合は数年かかることも珍しくありません。
  • 金銭的負担: 弁護士費用が協議や調停に比べて高額になります。

ボビー・オロゴンさんのケースも、報道が事実であれば、当事者間の感情的な対立が大きく、協議や調停での解決が困難だったことがうかがえます。

7200万円は妥当?「財産分与」の基本ルール

今回の報道で注目された「約7200万円の支払い命令」。これは「慰謝料」ではなく、主に「財産分与」によるものと考えられます。

財産分与には、離婚に至った原因(不倫やDVなど)は関係ありません。あくまで「夫婦が結婚生活の中で協力して築いた財産を、離婚時に公平に分ける」という制度です。

1. 財産分与の割合は「2分の1」が原則

どちらかが専業主婦(主夫)であったとしても、家事労働によって財産形成に貢献したとみなされ、原則として財産を半分ずつ(2分の1)分けます。

2. 対象となる財産

対象となるのは「結婚してから離婚(または別居)するまでに築いた財産」です。

  • 現金、預貯金(夫婦それぞれの名義のもの)
  • 不動産(家、土地)
  • 有価証券(株など)
  • 生命保険(解約返戻金)
  • 退職金(婚姻期間に相当する部分)

※結婚前から持っていた財産や、親からの相続で得た財産は対象外(特有財産)です。

ボビー・オロゴンさんの場合、タレント活動や投資(報道による)などで得た財産が婚姻期間中に形成されたものであれば、その多くが財産分与の対象となり、結果として高額な支払い命令に至ったと推測されます。

まとめ:裁判を避けるために重要なこと

離婚裁判は、当事者双方にとって大きな傷を残す可能性があります。こうした「泥沼化」を避けるために最も重要なのは、できるだけ「協議」または「調停」の段階で解決することです。

感情的になってしまうと、冷静な話し合いは困難になります。 お互いが合意した内容(財産分与、養育費、親権など)は、必ず法的な書面、特に「公正証書」として残しておくことが、将来のトラブルを防ぐ最大の防御策となります。

「話し合いがこじれそうだ」「相手が何を考えているかわからない」と感じたら、深刻な対立になる前に専門家(弁護士など)に相談し、法的な落としどころを探ることも一つの賢明な手段です。