離婚後の役所手続きと戸籍・姓(苗字)の変更 完全ガイド

離婚届が受理され、法的に離婚が成立した後も、安心はできません。 新しい生活をスムーズにスタートさせるためには、役所などで多くの「名義変更」や「手続き」を期限内に行う必要があります。

特に、姓(苗字)や戸籍、健康保険、年金、子どもの手当に関する手続きは、生活に直結するため非常に重要です。

このページでは、離婚届を提出した後に「まず何をすべきか」を、必要な手続きリストとして時系列に沿って解説します。


1. 姓(苗字)と戸籍の手続き

離婚届を提出する際、または提出直後に、結婚によって姓を変えた側(主に妻)は、姓と戸籍をどうするか決める必要があります。

1. 旧姓に戻り、親の戸籍に戻る場合

これが原則のパターンです。 離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄で「もとの戸籍にもどる」を選べば、手続きは完了です。

2. 旧姓に戻り、新しい戸籍を作る場合

親の戸籍に戻らず、自分を筆頭者とする新しい戸籍を作ることもできます。 子どもを自分の戸籍に入れたい場合は、この方法を選択する必要があります。(子どもは自動的には親の戸籍に入りません)

3. 結婚時の姓(苗字)を使い続けたい場合

離婚後も、仕事の都合などで結婚時の姓を使い続けたい場合は、離婚届とは「別」の手続きが必要です。 離婚成立の日から「3ヶ月以内」に、役所に「離婚の際に称していた氏を称する届(こんしぞくしょうとどけ)」を提出します。


2. 子どもの戸籍の手続き(親権者となった場合)

離婚届を提出しただけでは、子どもの戸籍と姓は、元の戸籍(父親の戸籍)に残ったままです。

母親が親権者となり、子どもを自分と同じ戸籍・姓(旧姓)に入れたい場合は、以下の2つの手続きが「追加で」必要になります。

ステップ1:家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を申し立てる ステップ2:許可が出たら、役所で「入籍届」を提出する

これにより、子どもは母親の新しい戸籍に入ることができます。


3. 住民票の手続き

離婚後に引越しをする場合は、住民票の異動手続きが必要です。

・同じ市区町村内で引越しする場合:「転居届」 ・他の市区町村へ引越しする場合:元の役所で「転出届」を出し、新しい役所で「転入届」を提出

また、離婚によって世帯主が変わる場合は「世帯主変更届」も必要です。


4. 国民健康保険・国民年金の手続き

離婚によって、これまで相手の会社の健康保険(扶養)や厚生年金(第3号被保険者)に入っていた方は、資格が喪失します。 ご自身で「国民健康保険」と「国民年金(第1号被保険者)」への加入手続きを、役所の担当窓口で行う必要があります。

手続きが遅れると、保険証がない期間ができてしまったり、将来の年金受給額に影響が出たりする可能性があるため、離婚後14日以内など、速やかに行いましょう。


5. 子どもに関する手当の手続き(親権者となった場合)

子どもを引き取り、親権者(監護者)となった場合、生活を支える重要な手当の申請手続きがあります。

・児童扶養手当(ひとり親家庭向けの支援) ・児童手当(受給者の変更手続き) ・ひとり親家庭等医療費助成制度(自治体による)

これらの支援は、申請しなければ受給できません。 特に「児童扶養手当」は、離婚後の生活を支える重要な支援制度ですので、必ず申請しましょう。

→ 詳しくは「離婚後の公的支援ガイド」の記事で解説します。


6. その他の名義変更

役所の手続きが一段落したら、日常生活に必要な以下の名義変更も忘れずに行いましょう。

・運転免許証(氏名・住所変更) ・パスポート(氏名・本籍変更) ・銀行口座、クレジットカード(氏名変更) ・携帯電話、電気、ガス、水道(氏名・住所・支払方法変更) ・生命保険、火災保険(氏名・受取人変更)

まとめ

離婚後の手続きは種類が多く、非常に煩雑に感じられるかもしれません。 しかし、これらは新しい生活の土台を整えるために不可欠な手続きです。 ご自身の状況に合わせて「やるべきことリスト」を作成し、一つずつ着実に完了させていきましょう。